オーディオ・シアタールーム

スピーカーが歌いはじめた! 部屋に音楽が鳴りだした!14帖のオーディオルーム

国分寺・I邸

音楽的によく鳴るスピーカーとして定評のあるイタリア製高級スピーカーを所有するI氏。
しかし購入当時からこんな不満を持っていたそうでした。「どことなく音が痩せていて貧相。特に低音が思うように鳴ってくれない。マンションでは大きな音を出せないという制約からくる音量不足も原因だとは思うが、それ以外にも理由があるのでは?と思いました。

このスピーカーの実力はこんなものではないはず……とにかく、アマティを豊かな音量で自由に歌わせたい、そう感じていました。」そんな動機で始まったオーディオルームづくりは、2部屋を1部屋にして広いスペースを確保することから始まりました。マンションの構造の制約上、高い天井は望めませんが、防音のための床・天井の厚みを差し引いても2.35mの天井高は確保できることがわかり、その天井高を基準に、部屋の間口・奥行寸法を調整して、音響的なプロポーションを整えました。

「防音室というと閉塞感のあるイメージでしたが、まったく違いました。遮音性能を犠牲にすることなく窓を取ることもでき、いわゆる防音室という感じがしません。また響きが豊かなのも嬉しいポイントでした。交響曲などをかけても、まるでホールで聴いているような感覚なのです。」とI氏。

使う素材は、床は無垢のメープルフローリング、壁・天井は漆喰塗とし、ヨーロッパの古い建物のような低音が豊かで重厚な響きと、美しく清澄な響きが両立した空間となりました。
「仕事が終わってから家で大音量で音楽が聴けるということ。それだけのことですが、それが本当に贅沢なことだと実感しています。」と語るI氏。
オーディオはまず、気がねなく安心して、必要に応じて大きな音で聴けることがなによりの条件であることを物語っています。

設計のポイント

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1.6帖と8帖の洋室を繋げ、広いスペースを確保
2.寸法比の調整のため壁を斜めに傾けて定在波対策
3.内装に漆喰や無垢フローリングなどを採用し明晰で重厚な美しい響き
4.専用分電盤、クライオブレーカー、PCOCC-A配線
   オーディオグレードコンセントによる電源まわりの強化

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2重壁のフトコロを利用して設けたお洒落なニッチ収納棚

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引き違いのサッシの手前に開き窓を設け、所帯じみた印象をなくしている

●浮2重構造による高い遮音性能=防音工事をすると音が良くなる(悪くなる?)
 

RC造のマンションの場合、日常的な防音レベルとしては何の問題もありませんが、オーディオを大音量で聴くとなるとクレームにつながる可能性が高くなること必至です。
マンションのコンクリート躯体に音のエネルギーを伝えないかが、遮音設計上の最大のポイントとなりますので、床・壁・天井を躯体から防振した浮2重構造にしたうえで、重くてガッチリとした素材で施工することが必須条件となります。
と同時に、床・壁・天井の全ての面が高面密度・高剛性の面で構成されることは、振動の影響を受けにくい美しい反射音が得られるというメリットに繋がります。これが防音工事をすると音が良くなるという一番の理由となります。しかし、部屋の形が悪いプロポーションの場合には、音の共振によるクセがさらに顕在化して、ひどい音場になってしまいます。

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●電源廻りの強化
 

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I氏の良い音に対するこだわりは強く、例えば電源廻りについても妥協のない計画が求められました。
そのためオーディオ用の電源、専用分電盤を設置、ブレーカーはクライオ処理の施されたものを使用。GOLDMUNDのパワーアンプには200Vを直接供給するため、専用のコンセントを設け、100Vのコンセントもオーディオグレードのものを設置しました。
それらをPCOCC-Aの電線で配線し、SN感の高い電源環境を構築しました。供給電源の強化による音質向上効果は他の信号経路の改善効果よりはるかに大きく、オーディオルームづくりのポイントになります。

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