オーディオ・シアタールーム

ハイエンド商品開発のための高度な音響スペックを実現

試聴室としてのオーディオルーム!

新鋭ブランド、スフォルツァートの開発試聴室兼オーディオルームである。
最先端オーディオ技術であるハイレゾ対応ハイエンド商品のチェックのため、まず高度な遮音(外に音を出さない、外部の音を入れない)と、空調などの内部騒音を抑えた結果、高SN比空間を確保している。

躯体は自社所有の賃貸住宅と連続していて木造2×4’工法建築の内部に造られた。遮音性能は外部に対してはD’-70、隣接住居に対してもD’-80というRC建物内防音室の性能と同等以上の性能を得ている。
一方、冷暖房・換気の空調騒音はNC-18というプロのレコーディングスタジオ並みのスペックになっている。

室内音響(響き)については、従来のデッド気味の試聴室が常識であるのに反し、完成時点では(家具・什器・機材なし)では響きが長め(0.55秒/500Hz)で平均吸音率は0.17になっている。後日、実使用状態での測定では残響時間は0.47秒/500Hz、平均吸音率は0.21であった。
低音域に入るまで音像はタイトで緻密でありながら豊かな音場できている。

外観
木造2’×4’構造でこの部分だけ1.5階分の高さにして高い天井高4mを確保している。
Fix窓を設けているが、適音性能はD’-65以上RC建築防音室並みの性能である。
 

◇よい音の空間の基本条件-1  『部屋の形』

リスニングルームは「部屋の形」が最も大切。
小俣氏の視聴室は、部屋に発生する低音の定住波が分散・均一化されるような部屋の形(間口・奥行き・天井高の寸法比)になっていて、低音域のモタツキ・ブーミングは皆無。
そのため、再生音はハッキリ・クッキリとなる(定在波がなくなる訳ではないことに注意)。

花崗岩
SP側の床は花崗岩、リスニング側はムクのフローリング。
お互いフチが切れていて振動が伝わらない。
 

◇よい音の空間の基本条件 -2『反射音のクオリティ』

こちらも基本的な条件のひとつ。防音のための2重浮構造は、極めて振動しにくく、反射面の歪みが極めて少ない。
この視聴室は
①床はコンクリート密着ムクのフローリング貼
②スピーカーの床はコンクリートに御影石貼
③天井・壁の下地構造は面密度の高い複層ボードで、表面仕上げはブラスター下地の漆喰仕上げ。
以上により全ての面が高面密度で高剛性で、振動しにくく全音域にわたって歪みのない反射音が得られており、滑らかで歪みがなく、音楽ソースそのものが伝わってきて、部屋の存在感がほとんど感じられなくなっている。

窓
2ヶ所のFix窓の明かりは貴重、それでも遮音性能はD’-65。
 

◇よい音の空間の基本条件-3  『最小限の吸音処理』

小俣氏の視聴室は響きはあるのだが、スピーカーからの音はストレートに伝わってくる。これは「最小限の吸音処理」によるもの。リスニングルームは、響き過ぎてもよくないが、吸われ過ぎはもっとよくない。今回の残響時間の測定結果から逆算すると平均吸音率は0.2/500Hzで、いわゆる普通の視聴室や録音室などの推奨平均吸音率0.3~0.4より小さい。しかし特異な定在波がなく、反射音のクオリティが高ければ、この程度の吸音率であっても、何ら問題はなく、微細な音のニュアンスもよく聴き取れる。部屋全体の狭さ感がないというより、部屋の大きさが意識されない音場ができる。スピーカーの存在も薄れ、3次元的な音の立体感が自然に創生される。
スピーカーの背後の壁面の60%くらいの吸音面と、スピーカー前の床面に部分敷きカーペット面のみが吸音。その他の面は基本的に反射面であるが、ステレオの定位感・奥行き感をはじめとする音場感が十分に確保されている。

残響時間

残響時間
SP リスニングポイント伝送周波数特性
 

●オーディオルームの音響特性は自分の声でほぼ分かる
(オーディオ評論家:炭山アキラ氏)

最初に部屋へ入った時の自分の声でこの部屋の素晴らしさはほぼ了解していたが、ここで改めて音楽を聴かせてもらう。スフォルツァート試聴室のシステムは、同社DST-01からdCSでD/A変換され、マークレヴィンソンのプリを通って独ムジークのアクティブモニターRL-901Kで鳴らすという、シンプルながら超辛口の大規模システムである。我が愛聴するハイレゾ音源をUSBメモリに入れて持参、鳴らしてもらったが、一聴して全域ピシリとそろった超ハイスピードぶりと特定帯域の凹凸感のなさ、平たく言えば自然さに圧倒された。吸引力、魔力のようなものすら立ち上がっている。こんな部屋とシステムで開発されていたのだなと、スフォルツァートのウルトラ高品位サウンドの秘密が少し垣間見えたような気がしたものである。

正面レンガ
正面はレンガ積の壁、手前にカーテンがあって音響調整ができようになっている
 

●部屋次第でオーディオ装置もその実力が決まってしまう
(オーディオ評論家:炭山アキラ氏)

オーディオというとどうしても機器が“主役”となり、他の項目が二の次になる傾向があるのは私自身を含め致し方ないかとも思うが、実のところ「一番大切なコンポーネント」はまぎれもなく部屋である。部屋次第でどんなオーディオ装置もその実力がどれほど発揮されるかの限界線が引かれてしまうのはもう如何ともし難いものだ。私も木造の古ぼけた借家の中で可能な限りその限界線を引き上げようと悪戦苦闘しているが、身もフタもない言い方をしてしまえば、スフォルツァート試聴室に安価な装置を組んだ方が、我が家でハイエンド機器を不意回すよりずっと良質の音楽生活が送れるに違いない。

天井窓壁
天井の高さは4m、間口と奥行きとの寸法比は直方体としては理想的比率となっている。
壁・天井はしっくい塗り、床はムクのフローリングである。
天井に建築化照明を兼ねた音響拡散ユニットを吊り下げている。
2ヶ所のFix窓の明かりは貴重、それでも遮音性能はD’-65。

 

 

 

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