DAWスタジオ

アコースティック・ギターそのものの音をモニタースピーカから試聴できるStudio

アンフィニカスタムワークスStudio

アンフィニカスタムワークス施主である藤岡さんは楽器メーカーやプロ・オーディオ機材の輸入代理店に長く勤務した後、アコースティック・ギターのリペアやチューンナップ、オリジナル商品の開発/販売を手がけるアンフィニカスタムワークスを2006年に開業。
約20年前に購入したマンションの一室ですべての作業を行なっていたが、住宅の全体リフォームするタイミングで工房を別に構え、本格的なサウンド・チェックのためのデモ・ルームを作ることに。

 

左のラック上部にある1 U の機材は、藤岡さんがアコギ専用に開発したデュアル・チャンネル・プリアンプ R-Zero.
ラック下右側の2つは九州のエフェクター・ブランド PAS と共同開発したアコギ専用ヘッドアンプepasとepas EQ+.

詳細はアンフィニカスタムワークスの Web サイトで.
http://enfini-customworks.com

 

 

 

 

全体リフォームを機に近隣に配慮した間取りに

間取りもともと廊下をはさんだ振分2部屋分の空間を使用していたが、隣接住戸に配慮しエレベーターホール側の1部屋にまとめた。
他住戸側に廊下を挟み、非住戸のエレベーターホール側にスタジオを寄せている。

 

roka住居スペースに通じる廊下に、依頼主から預かった楽器などの保管スペースを確保。
これらは隣接住戸への遮音効果を高める緩衝空間としても機能。

 

歪な形だからこそ とことんこだわった機能性​

AFTER2マンションの上下階を貫く排水用の配管を避けながら最大限の広さを確保するため、かなり複雑な形状の部屋になっているが、スタジオの使い勝手や居住性、設置する機材のサイズ、あらゆる面に配慮が行き届いている。

1Pro Toolsシステムとヤマハのデジタル・ミキサー、アウトボード類が収まる大型デスクもアコースティックエンジニアリングが製作。
スピーカー周りの壁は吸音と反射を絶妙に組み合わせた作りで、吸音パネル(グレーの部分)は、壁とフラットになるよう埋め込まれている。

 

2メイン・デスクの左側にはストレート弦をそのまま収納できる棚を設置。
躯体のパイプスペースによって生じた
デッド・スペースを有効活用する秀逸な工夫だ。

 

3オリジナル機材の開発用に測定機器や工具などがそろった作業デスク。
こちらの吸音パネル(青い部分)も、壁とフラットになっている

 

41ソファ周りは外廊下と玄関方向に窓を設けて閉塞感を排除。
ソファの裏側には隠し書棚も作り付けられている。

42

 

歪な形で気になる音響特性は・・・

藤岡さんは、目的別に使い分ける為に数種類のモニタースピーカをセットしている。その内の3種類のスピーカについてエンジニア席における伝送特性を測定したので結果は下記の通り。

 

SM9

<FOCAL / SM9>

 

sky
<bluesky/Sky System One2-1 >
 

CMS40
<FOCAL / CMS40>

部屋の形状は歪だが、どのスピーカの特性も比較的きれいな特性が得られている。実際スピーカの音を試聴すると、スッキリとしたバランスで歯切れの良さもあり、弦を指でこするような細かなニュアンスもしっかりと伝わってくるような再生音が得られていた。

 

担当者からのコメント

実はスタジオができてからモニタースピーカの音を聴くまでは正直ドキドキしていたのでが、スピーカからの一発目の音を聴いた瞬間ホッとしました・・・。
藤岡さんがかなりの精度でチューナップしたアコースティックギターのサウンドチェックする目的の部屋なのに、それらのニュアンスが再生できない部屋になっていたら・・・。

先日伺った際に藤岡さんがこういったエピソードを話してくださった。

『最近このスタジオに来るお客さんから「魔の部屋」と言われるんですよ。ここで聴く音が良いからついついお客さんがうちの商品を欲しくなりお金と使ってしまうから・・・』と。

私にとってはこのエピソードが最大の褒め言葉として受け取れて非常にうれしかった。

(岩元 公生)

 

 Guitar magazine 2015年4月号掲載!

 

 

 

 

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