広いリビングの一角につくったピアノ室
素敵な既存リビングデザイン空間にいかにマッチングできるか
ピアノ講師の奥様のほか、芸大附属高校でピアノを専攻する娘さん、 ヴァイオリンを弾く息子さんという音楽一家のSさん。
もともとリビングの一角にピアノを置いていましたが、 演奏時間の制約に限界を感じて防音工事を計画しました。
リビングとピアノ室の視覚的なつながり
before
リビングが仕切られて狭いイメージになってしまうのは どうしても避けたいとのことで、リビングに対しては大きなガラス窓で 視線が抜けるようにしました。また、フローリングを同材にすることで仕切られた空間を感じさせないよう設計しました。
after
ガラス窓による仕切りは、音が聞こえなくなるわけではありませんが、仕切った効果は抜群で、「娘の受験のときには、私が参ってしまいそうになりましたが、いまでは家事をしている間は全く気になりません」と奥様。
インテリアデザインと響き
Sさんのお宅は、無垢のフローリングやしっくいの壁、木製の窓など、素材やデザインに凝っており愛着もあるため、ピアノ室ができることでそのインテリアが崩れてしまうことにためらいがありました。
しかし、実はSさん宅に多用されている自然素材は、楽器にとっても非常に自然なよい響きをもたらしてくれる材料だったのです。
防音室というと吸音されるイメージがありましたが、この部屋は 響きが豊かでホールの感じも想像でき、気に入っています」と 娘さんも練習に余念がない様子。
床フローリング
リビングと同材のパイン無垢材のフローリングを手配し、リビング側の色に合わせて現場塗装で仕上げました。
仕切りサッシの下レールも床に埋め込んでフラットにし、リビングとのつながり感を重視しています。
吸音天井とその縁取り
ピアノ室の場合、当社では天井の一部分に吸音板を用いる音響設計が標準ですが、今回は部屋の形に合わせて五角形の島状にレイアウトし、その周囲をクラシカルなデザインのモールディングで縁取りました。
二重窓デザイン
窓枠も天井吸音板の縁取りと同様に、重厚でクラシカルなデザインのケーシングを廻してインテリアに統一感を出しました。
夜間演奏できる防音性能
窓前1mでD’-50の高性能
当社オリジナル内開き防音木製ガラスサッシを追加して二重窓とすることで 、夜間でも弾ける防音性能を実現しています。
しかも、がっちりとしたケーシングを窓枠に追加することで、既存リビングデザインに完全にフィットしました。
以前はご近所に配慮して時間を決めて演奏していましたが、 いまは娘さんが深夜にも練習しています。
「いつでも弾きたいときに弾けるという、時間的制約から 解放されたことがなにより嬉しい」とお喜びいただけました。
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