ピアノ室

2層吹き抜けの高い天井を活かした大空間のピアノ室

ピアニスト・原口摩純さんの音楽室

リサイタルや室内楽、協奏曲と多忙な演奏活動の傍ら、後進の育成にも力を注いでいる原口さん。 ご自宅を新築するにあたり、レッスンおよびサロンコンサートの開催を目的とした、広い音楽室を計画しました。

 

 

1. 2層吹き抜けの大空間を活かし、豊かな響きを実現する

haraguchizumen音楽活動が生活の中心になるため、間取りの設計時点で18畳もの広さを音楽室に割り当てた原口さん。
さらに2層吹き抜けの天井の高い空間は、豊かな音の拡がりを感じます。
そこで我々は、防音室工事でよく使われる吸音建材を最小限に抑えつつ、美しい響きを得られるよう音響設計を行いました。

hara02その最大の特徴が無垢板材をふ​んだんに使った天井にあります。木はアコースティック楽器にも用いられるように優れた音響特性がありますが、ここではもう一工夫加え、裏側に吸音層を設けて板振動による低音の吸音効果を狙っています。
カーテンやカーペットなどの布状の素材では吸収しにくい低音を吸って、逆に中高音は温かみのあるやわらかい反射音を返してくれます。
ピアノの音はもちろん、室内楽や声楽を加えたサロンコンサートでも、 木のやさしい風合いと相まって、豊かでのびのびとした響きを堪能できるでしょう。

 

2. 高台の眺望良好な環境を犠牲にせず、高い遮音性能を実現した窓

hara04原口さんのご自宅は閑静な高台の住宅地にあり、音楽室の窓からは天気の良い日に遠く富士山を望むことができます。このせっかくの良い立地条件、良い眺望を、防音のために あきらめてしまうのはあまりにももったいない。そこで、外壁側のサッシの内側に特注の木製防音窓を設置し、二重サッシとしました。ここでのポイントは、引き違い窓を使わず、より気密性の高い開き窓かFIX窓を採用していることです。遮音性能は窓前1m地点における測定値でD’-60前後で、外では聞き耳を立てないとピアノの音は聞こえません。眺望もさることながら、陽光あふれる音楽空間が実現できました。

 

3. リビングと視覚的につながる引き違いガラス戸

hara05音楽室の隣には家族が生活するリビング・ダイニングがあります。
お互いの空間を防音壁で仕切れば高い遮音性能を得られますが、お子さんが小さいためいつでも目が届くようにしたい、また、コンサートなどで大人数が訪れたとき、ティータイムでは開放して使いたいという要望から、引き違いの二重サッシュで2つの空間をつなげました。
室間の遮音性能はD-35で、決して高い性能ではありませんが、リビングで他の家族がテレビを見ていてもお互いの音があまり気にならず、また、ピアノの音がリビングを介して屋外へ漏れる心配もありません。

 

haraguchi_bio※原口摩純オフィシャルブログ
※雑誌「ショパン」2008年4月号の特集記事に掲載

 

他の事例も見る

ご相談はこちらから

住宅用ピアノ室等
アコースティックデザインシステム
03-3239-2021
関西営業所
06-7492-9233
上に戻る